人・社会・自然との関係性の中で響き合う建築空間を
協働でつくりだすデザイン技術者集団
住まいを築くことは、実りある生命について考えることと同じです。人や自然につながるために、開いたり閉じたり。そんなしなやかで豊かな、生き物のような家。PDOはあなたとつくっていきます。
山の建築家が語る、八ヶ岳の「風」。
颪(おろし)
標高1100m、八ヶ岳南麓に住んでいる。ここ数十年の設計、施工技術の向上で快適な生活が可能となった。
直近の都会である甲府に降りる際、頻繁に目にするのは、空を気持ちよく滑るグライダーの姿。
動力装置を持たずに気流をとらえて操縦する。
八ヶ岳は3000m級の峰が南北に連なり、その東も西も谷状になっている。
東谷は塩川、千曲川、信濃川となり日本海に抜ける。
西谷は釡無川、諏訪湖……、そうフォッサマグナだ。
同じく日本海まで抜ける大地溝帯。
大陸からの風は八ヶ岳の東西の谷を吹き抜け、加速度を増す。
ふたつの風が合体するポイントが韮崎と双葉だ。
これが俗にいう「八ヶ岳颪(おろし)」。
甲府盆地の冬を寒いものとしている。
航空協会、航空学園がある理由もうなずける。
小淵沢の人に「名物は何?」と聞くと「風」と答えた。
特に春先には北西からの吹き上げで芝をも剝がすと言う。
清里には風を鎮める「風の三郎」という社がある。
長い棒の先に鎌を掲げた「風切り鎌」(*)も風習として残る。
八ヶ岳南麓の特に中腹エリアは地形的に、颪の影響が少ない。居住地として人気がある理由のひとつだ。
建築家 中村大補
*風が吹いている方角に鎌を向けて、屋根の棟木や竹竿の先に縛り、強い風を切る祈願をする。
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