
日本で最初のオーベルジュ
オーベルジュ清里 40周年
「あの人に会いたい」
そう思える空間に
1986 年の開業から、美食と温かなもてなしで多くの人に愛されてきた「オーベルジュ清里」が40 周年を迎えた。
清里で生まれ育ったオーナー・五味博さんが27 歳で始めた、宿泊とレストランを兼ねた国内先掛けとなるオーベルジュスタイルの滞在施設。有機栽培農園、ポニー牧場、キャンプサイト、グランピング、ヴィラ等々、時代とお客様のニーズに合わせ、長年、多彩な挑戦を続けてきた。
いよいよ2025 年5 月、オーベルジュの「顔」が変わる。長女の夫でフレンチシェフを務める五味祐輔さんが社長に就任。オーベルジュ清里の新時代がはじまる。
料理が美味しいのは当たり前、「人柄が美味しい」ことこそが核心だと五味さんは言う。「観光は施設じゃない。観光は人。『あの人に会いたい』と思えるようなおもてなしの心を育てることができるか」。
4 年前に妻である菜穂子さんが他界。それまで料理一本だった五
味さんは、厨房を若手スタッフに任せ、菜穂子さんが担当していたホールサービスや経理を引き継いだ。「料理や環境だけではなく、接客などを含むトータルの空間が幸福をもたらすということに気付いた。妻が残してくれた大事な教えだと思う」と語る。
オーベルジュ清里に泊まった人は、きっと皆思い出す。清里のきらめく満天の星と、ゆらめく焚き火、そして大切なあの人のことを。
次代を担うオーベルジュ清里、新チームの門出に祝福を。
次代を担う二人のシェフ
ル・マリアージュ 五味祐輔シェフ
オーベルジュ清里での 18年の修行を経て、フレンチシェフに就任。野菜ソムリエの資格を持ち、 丹寧に育てた自家栽培野菜の魅力を余すところなく伝える。

新鮮な無農薬野菜や旬の食材がテーブルを彩る。 葉月さんが厳選したこだわりのワインとともに味わえば、 四季の恵みにあふれた大地のハーモニーが レストランに流れる。
薪火料理 伊藤優希シェフ
辻調理師専門学校を卒業後、都内の炭火レストランなどで腕を磨き、4 年前からオーベルジュ清里で薪火料理を手掛ける。

素材や調理に合わせて薪の種類を選び、火加減をあやつりながらフルコースを仕立てる。森と火の香りをまとった一皿は、 まさに八ヶ岳の表現。
清里への恩返し

博さんの父親が酪農のために開拓した土地にオーベルジュ清里はある。幼いころは、牛乳缶を運ぶなどよく父親の仕事を手伝った。
「清里で生まれ育ち、この土地に生かされてきた。だからこそ、恩返しがしたい」と話す五味さん。
早春の八ヶ岳の風物詩ともなっている美食・美酒の人気イベント「八ヶ岳シェフズバル」やその前身にあたる「大人のソト遊び」といったイベントの発起人でもある。「ここに根付くからには地域振興ができる人であってほしい」と願う。
若手スタッフへのバトンタッチとともに五味さん自身も新たに挑戦したいことがあるという。「人生は面白い!」。朗らかに放つ五味さんの目は、未来を夢見て輝いている。
SHOP DATA
- オーベルジュ清里&ヴィラ
- 山梨県北杜市高根町清里牧場通りコート・ドゥ・ヴェール
- 営業:ランチ11:30~14:30、ディナー18:00~(すべて予約制)/カフェ 未定
- 定休:不定休
- 0551-48-3405(代表オーベルジュ)
- WEBサイト