八ヶ岳南麓の早春の頃(4月上旬)、季節の「野香茶」を選びに、北杜市明野町のcamino natural rabo に出向きました。2022年は多くのお客様にお茶をお届けし、「今までにない味わい」「抽出時間を長くすると味わい深くなり、奥に八ヶ岳の草原を感じる」などの感想をいただき、お客様と生産者との素敵な出会いを演出できたことを嬉しく思います。
2年目の2023年度は「香りのお届け便」と称し、季節ならではの力強い息吹を、「香り」を主に味わっていただけたらと提案いただきました。
いつものように、色とりどり約20種類ほどの季節の植物の抽出茶から、「どの味と香りが響く」かを、探ってゆく。上原さんと担当の小林がふたり。互いに今の季節に生きる自身の心身と問答するかのように、ひとつひとつスプーン一杯をカップに入れて味わう。口に入れると香りは鼻に抜け、味覚と嗅覚を通して確認できる。
「わー! これ春を感じる!」何か宝物を見つけた少女のように、上原さんが発した。カップにはオレガノのお茶。それを柱に、エルダーフラワー、アカシアの花、それにイチジクとリンゴを加えて、味をまとめてひとつのお茶にしあげていく。感覚を研ぎ澄ませ、決断していく様はまるで色を決めていく、絵描きのよう。そのクリエイションな時間に圧倒されながら、完成した「春」のお茶をひとくち味見すると、新しい季節へ優しく誘ってくれる味がした。お湯を入れて、約8分。通常のお茶より長めに時間をとると、より味わい深く、心と体が「美味しい」感動する味になります。どうぞ、そんなお茶との出会いをこの季節に!